Mountain, Ocean, and Sun。
2004/03/11 vol.9
ある日の昼食。
春待ち大根バーガー、ミネストローネ、グリーンサラダ。それに、コップに入った水。スープのボウル、サラダボウルは陶器。コップはガラス。フォークとスプーンは金属でした。ごみになったのは、ドレッシングの袋、バーガーを包む紙、トレーの上に敷いてあるシート。
陽が差している窓に近い席で、平日の昼下がり。オフィス街の落ち着いたお店でのことでした。
せっかく店内で食べているのに、テイクアウト用の容器に入っていると、なんだか物足りない気がしてしまいます。効率最優先のファストフードでも、いくつかのメニューでくりかえし使える食器を使っていること、ちゃんとした食器でごはんが食べられることは、とてもうれしい!心地よかった。和食でも、料理はもちろんそれを盛る器までこだわって、おいしさを創りますよね。
ところで、使い捨て食器と洗い食器。これをトレーの上だけではなくて、LCAで見てみると、必ずしもどちらがいいとは言えないかもしれません。LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)は、その製品の生産から消費、廃棄のすべての段階で、製品が環境へ与える負荷を総合的に評価するもの。
たとえばスープの容器。
陶器のボウルなら・・・(+)スープがおいしそう。何度も使える。環境にも食育にもよさそうに思える。(-)単価が高い。重い。割れることもあり。食器を洗うには洗剤を使うし、たくさんの水が汚れるかもしれません。くりかえし使う食器は、つねに衛生的でないといけない。殺菌消毒するのかな?割れてしまうと、リサイクルは難しそう。
紙コップなら・・・(+)単価が安い。軽い。落としても割れない。しようと思えば、リサイクルもできる。使い捨てだから衛生的。(-)ゴミとして燃やすことになる。原料は木材パルプかも。どのくらいのお店がリサイクルしてるのかな?紙コップのリサイクルだって、環境に絶対いいともいえないかも。
この頃は就活で、三田から大阪の街へでかけていく日々です。それに比例して外食の割合もぐんと増えました。その土地で取れたものを、その土地で食べることが、エネルギーコスト的に◎なことはもちろんなこと。だけど、現実はそんなにシンプルではないのでした。このおいしい大根バーガーは、はるばるオーストラリアから海を越えて運ばれてきた牛肉と、日本の畑で取れた大根でできているんだなぁ・・と、その向こうにあるたくさんの経済活動に思いを馳せ、私は季節とともにまたひとつ、春に近づくのでした。
♪ I love you so, I feel I won’t forget you -Sasagawa Mawa (mos CM song)
スロー。 灯り。 星。 紙。 薬草。 子ども。 ニュース。 百匠。テーマだけ並べてみると、取りとめのないエコトバを綴ってきましたが、今日のテーマは「食品リサイクル(Food Recycle)」です。
食品リサイクル法で、企業は2006年度までに食品廃棄物のリサイクル率を20%以上にすることが求められています。農水省は2000年度に初めて、食べ残しと食品廃棄量を対象にした食品ロス調査を実施しました。それによると、家庭で購入する肉や魚、野菜などの食品のうち、傷んだり食べ切れなかったりして無駄に捨てる割合は7.7%で、家庭の方が、外食の食べ残し率より高かったそうです。(一方で、結婚披露宴では23.9%が食べ残し、という興味深い調査もされています。)おなじ2000年度で企業のリサイクル率は13%なのに比べて、家庭は1%未満。食べ物のリサイクルは、発展途上。まだまだこれからという感じです。
◇ 生ごみは、ゆっくりゆっくりリサイクル。
とあるファストフードチェーンは、2002年から3店舗で生ごみ処理機を実験的に導入しています。5kgの生ごみは6時間かけて堆肥化され、それを契約農家の野菜生産へフィードバックするという食品リサイクルシステムも実験的に開始。このチェーン店では、商品の作りおきをしないため、そもそも生ごみ排出量は少なく、その点でも食品リサイクルを実現しやすい事業環境にあるそうです。生ごみが肥料になって土に戻り、そして再び野菜になってお店に帰ってくるまでの、ゆっくり長ーい旅です。
◇ たまごの殻で作ったチョーク、初商品化!
とある食品メーカーのマヨネーズの工場で発生するたまごの殻は年間2万トンにものぼるとか。2万トンのまっしろなたまごの殻の山・・想像してみたら圧巻ですね。これまでは、土壌改良材に再利用されたり、カルシウム強化食品の原料として使われてきたそうです。そしてこのメーカーは、マヨネーズを作るときに発生するたまごの殻を、黒板用チョークの原料としてリサイクルする取り組みを始めました。環境にやさしい製品として販売される、このチョークの名前が、かわいい。その名も「コッコチョーク」* 食品リサイクルの天然素材を使ったチョーク、学校や幼稚園で人気者になりそうです。
みなさんは今日、どんなごはんを食べましたか。
゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。
エコトバから、エココロを。
Live a life with the sense of wonder.
春、来々。
。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜。 ゜。 ゜。
Ref. 食品リサイクル法
食品廃棄物の発生抑制、リサイクル、減量化に取り組むことが目的。食品メーカー、飲食店など食品関連事業者は、2006年度までに実施率を20%に達成させることが責務とされている。年間の排出量が100トンを超える事業者が未達成の場合、企業名の公表、罰金など。
"My favorite glass and magazine." photo by maya
ある日の昼食。
春待ち大根バーガー、ミネストローネ、グリーンサラダ。それに、コップに入った水。スープのボウル、サラダボウルは陶器。コップはガラス。フォークとスプーンは金属でした。ごみになったのは、ドレッシングの袋、バーガーを包む紙、トレーの上に敷いてあるシート。
陽が差している窓に近い席で、平日の昼下がり。オフィス街の落ち着いたお店でのことでした。
せっかく店内で食べているのに、テイクアウト用の容器に入っていると、なんだか物足りない気がしてしまいます。効率最優先のファストフードでも、いくつかのメニューでくりかえし使える食器を使っていること、ちゃんとした食器でごはんが食べられることは、とてもうれしい!心地よかった。和食でも、料理はもちろんそれを盛る器までこだわって、おいしさを創りますよね。
ところで、使い捨て食器と洗い食器。これをトレーの上だけではなくて、LCAで見てみると、必ずしもどちらがいいとは言えないかもしれません。LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)は、その製品の生産から消費、廃棄のすべての段階で、製品が環境へ与える負荷を総合的に評価するもの。
たとえばスープの容器。
陶器のボウルなら・・・(+)スープがおいしそう。何度も使える。環境にも食育にもよさそうに思える。(-)単価が高い。重い。割れることもあり。食器を洗うには洗剤を使うし、たくさんの水が汚れるかもしれません。くりかえし使う食器は、つねに衛生的でないといけない。殺菌消毒するのかな?割れてしまうと、リサイクルは難しそう。
紙コップなら・・・(+)単価が安い。軽い。落としても割れない。しようと思えば、リサイクルもできる。使い捨てだから衛生的。(-)ゴミとして燃やすことになる。原料は木材パルプかも。どのくらいのお店がリサイクルしてるのかな?紙コップのリサイクルだって、環境に絶対いいともいえないかも。
この頃は就活で、三田から大阪の街へでかけていく日々です。それに比例して外食の割合もぐんと増えました。その土地で取れたものを、その土地で食べることが、エネルギーコスト的に◎なことはもちろんなこと。だけど、現実はそんなにシンプルではないのでした。このおいしい大根バーガーは、はるばるオーストラリアから海を越えて運ばれてきた牛肉と、日本の畑で取れた大根でできているんだなぁ・・と、その向こうにあるたくさんの経済活動に思いを馳せ、私は季節とともにまたひとつ、春に近づくのでした。
♪ I love you so, I feel I won’t forget you -Sasagawa Mawa (mos CM song)
スロー。 灯り。 星。 紙。 薬草。 子ども。 ニュース。 百匠。テーマだけ並べてみると、取りとめのないエコトバを綴ってきましたが、今日のテーマは「食品リサイクル(Food Recycle)」です。
食品リサイクル法で、企業は2006年度までに食品廃棄物のリサイクル率を20%以上にすることが求められています。農水省は2000年度に初めて、食べ残しと食品廃棄量を対象にした食品ロス調査を実施しました。それによると、家庭で購入する肉や魚、野菜などの食品のうち、傷んだり食べ切れなかったりして無駄に捨てる割合は7.7%で、家庭の方が、外食の食べ残し率より高かったそうです。(一方で、結婚披露宴では23.9%が食べ残し、という興味深い調査もされています。)おなじ2000年度で企業のリサイクル率は13%なのに比べて、家庭は1%未満。食べ物のリサイクルは、発展途上。まだまだこれからという感じです。
◇ 生ごみは、ゆっくりゆっくりリサイクル。
とあるファストフードチェーンは、2002年から3店舗で生ごみ処理機を実験的に導入しています。5kgの生ごみは6時間かけて堆肥化され、それを契約農家の野菜生産へフィードバックするという食品リサイクルシステムも実験的に開始。このチェーン店では、商品の作りおきをしないため、そもそも生ごみ排出量は少なく、その点でも食品リサイクルを実現しやすい事業環境にあるそうです。生ごみが肥料になって土に戻り、そして再び野菜になってお店に帰ってくるまでの、ゆっくり長ーい旅です。
◇ たまごの殻で作ったチョーク、初商品化!
とある食品メーカーのマヨネーズの工場で発生するたまごの殻は年間2万トンにものぼるとか。2万トンのまっしろなたまごの殻の山・・想像してみたら圧巻ですね。これまでは、土壌改良材に再利用されたり、カルシウム強化食品の原料として使われてきたそうです。そしてこのメーカーは、マヨネーズを作るときに発生するたまごの殻を、黒板用チョークの原料としてリサイクルする取り組みを始めました。環境にやさしい製品として販売される、このチョークの名前が、かわいい。その名も「コッコチョーク」* 食品リサイクルの天然素材を使ったチョーク、学校や幼稚園で人気者になりそうです。
みなさんは今日、どんなごはんを食べましたか。
゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜。
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Live a life with the sense of wonder.
春、来々。
。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜。 ゜。 ゜。
Ref. 食品リサイクル法
食品廃棄物の発生抑制、リサイクル、減量化に取り組むことが目的。食品メーカー、飲食店など食品関連事業者は、2006年度までに実施率を20%に達成させることが責務とされている。年間の排出量が100トンを超える事業者が未達成の場合、企業名の公表、罰金など。
"My favorite glass and magazine." photo by maya
by ekotoba
| 2004-03-11 11:41
| エコトバ。
一葉の写真に、生活と自然のことばを添えて届けます。
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