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slow life, hard life.  -3-

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畑中を駆け回ってのりたま農園を見守ってくれてる、のりさんの愛犬・ノリ。
(畑の手伝いレポート・その3。)

2日目の午後。もうひとりの子が、手伝いにやってくる。たまさんも用事で町に出かけていて、のりさんがその子を迎えに行っている間、私は台所で、玄米ごはんを炊いている圧力鍋の笛が鳴るのを待っていた。(笛が鳴ったら、火を弱火にするから。)木の小さな丸い椅子に腰掛けて、たまさんが昨夜読んでいた、広辞苑よりもずっと分厚いどっしりとした本の最初のページをめくって読んでみた。

ネイティブ・アメリカンが、はるか昔にそれまで住み慣れていたアフリカ大陸から、別の地に移り住むことを決めて、移動を始めた、その長い長い旅の記憶が書かれている。文字を持たないN.A.は、それらのできごとを、教えを、口から口へと言葉と声で伝えてきた。書き留められたすべては、人から人へと語りかけられてきたこと。

コマがぴーっという控えめな音をたてた頃に、のりさんがみねちゃんを連れて帰ってきた。私もその日初めて会ったみねちゃんは、ampの広報を見て私に連絡をくれた2回生の女の子で、ちょうど私がのりさんと次に手伝いに行く話をしていたときに、のりたま農園について質問のメールをくれたので、今回の手伝いにお誘いしました。

初めまして*とあいさつをして、住んでいることろの話や、知り合ったいきさつなどを話しながら、昼ごはんのしたく。今日は、ひきわりモロヘイヤ玄米ごはん、きゅうりのぬかづけ、お茶 を外のベンチで食べる。お昼になると家の裏山が影をつくってくれて笹林から風が吹くので、涼しくて気持ちよかった。ヒグラシも鳴きます。じつは納豆を食べたのはこれが生まれて初めて。

日差しが弱くなり始める3時までは、ひとまず休憩して、体力を温存する。とはいえ、みねちゃんは来たばかりでせっかくの時間なので、たまさんに畑を案内してもらった。家の前の畑だけで、実にいろんな種類の野菜が作られていて、びっくりした。中でもズッキーニは、お化けみたいに大きかった。

それでは、と満を持して、二人で里いもの畑の土寄せ・10畝を開始。畝の右手と左手に分かれて、両側から鍬?を振るい、下の土をかき上げ、苗の根元にしっかり掛けてあげる。断面から見ると、四角になってる畝を三角に整えるようなイメージです。それをまたひたすら続ける、暑さはすごかった。軍手をはめてるのに、柄を握る手のひらに力が入らなくなってきて、何度も手を止めて、握りなおした。振り下ろした鍬が土にささっても、それを持ち上げる力がだんだん弱くなってくる。

一度家に帰って休憩して、お茶を飲んで、それでも、みねちゃんと私は笑っていたと思う。もうちょっと、あとちょっと、この時間でここまできたから、頑張ろう*と。夕方には日差しが少し和らいで、時折り山の方からすずしい風も吹いた。そんなときは、首に巻いたタオルをはずして、体に風を送った。一定のペースで進む、を目標に体を動かして、空が薄やみに変わる頃には、全部の土寄せを終えることができた。

おつかれさまのシャワヮー。そして、晩ごはん。今日はビール&畑で取れた野菜のてんぷら豪華盛り。のりさんと、みねちゃんと私で、いんげんのてんぷらを食べた瞬間、思わずやばい!って叫ぶほどおいしかった。

ごはんの後、たまさんとみねちゃんと3人でいろんな話をしてる間、のりさんはこっそりお隣の家にサッカー(日韓戦)を観に行ってて、あとでたまさんに怒られてました。私は風葉(のりさんとたまさんの娘・3才)に折り紙を渡されて、「ね、つる、折ってー」って頼まれたので、思い出しながら、「こうやったっけ?次は?」って風葉にひとつひとつ確認しながら、折っていきました。最後にくちばしのところを折って、はいできた*って渡すときに、ちょっと飛んでるみたいにふわふわさせたら、風葉がよろこぶから、もっとつるをふわふわ動かせて、いっしょに遊んだ。

10時半 真っ暗な道をみんなでバンに乗って駅へ向かう。おつかれさま、ありがとう、また来てね、と野菜をおみやげにもらって、のりさん、たまさん、風葉に見送られて、すこし切ないさよなら。

人をまばらに乗せた夜の電車の中で、みねちゃんと並んで、あんなに汗をかいたことはなかったね、でもこの疲れがなんだかすかっとしてて気持ちいいね、と笑いながら帰ってきた。

"Nori -her beautiful face." photo by maya
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by ekotoba | 2004-07-26 16:16 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(0)

slow life, hard life.  -2-

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7月21日 晴れ
6時起床。自家製スコーンで朝ごはん。
(畑の手伝いレポート・2。)

三田では熱帯夜が続いていた7月でしたが、篠山では窓を開けるとすーっと涼しい風が入ってきて、くしゃみをしそうなくらいだったので、窓はそっと閉めて眠りました。朝=窓の外が明るくなっている時間。眠い目をこすって、窓を開けると、山のふもとに朝もやがたれこめているのが見えました。(1のphoto)

6時半、たまさんが小麦粉をこねて焼いてくれたスコーンを食べて、先に出たのりさんを追って畑に向かう。まずは昨日と同じ畑の水遣り、そしてハウスの中でポットの土入れ。既製の土を買いたくないというのりさんのこだわりから、土はのりさんがいろんな自然のものを混ぜて作っているそうです。ちょっと誇らしげにそれを教えてくれる、うれしそうなのりさん。のりさんが草刈をしている間、私はその土を、80コくらいのポットに入れていくのを任せられました。小さな黒いポットは、この後野菜の種を蒔いて苗を育てるのに使われます。これは酒井さん*にいわせると、赤ちゃんのベッドを整える重要な作業。それなのに、私はとても要領の悪い方法でやっていたので、遅々として進まず・・・。(*酒井さん=篠山で有機農を30年続けているおじいちゃん。これまでに3回訪問させていただきました。)
 
草に囲まれた白いハウス越しに見る朝の景色は、明るい光りとしっとりとした空気に洗われてきれいだった。私の作業の遅さを見かねたのりさんが、バナナジュースとスコーンを持って手伝いに来てくれました。素焼きのマグで飲むジュースは、牛乳のすっきりした甘さで、スコーンを食べて渇いたのどにおいしかった。

次にやったのが、里いもの畑での草集め・草運び。これが結構重労働で、10畝ある畑の中を、大きなねこぐるまを押して進み、刈ってそのまま置いてある雑草を、道具でかき集めてくるまに乗せていく → 畦を通って、となりの畑に作ってある雑草置き場まで運ぶ この繰りかえし。

言葉に書けば、ただそれだけなのに、影もない畑の真中で、ひとり汗を流して、奪われていく体力をひしひしと感じるのは、少し孤独でつらく、大変だと思った。それでも、ぼたぼた落ちる汗をタオルで拭ってまた顔を上げるときに見る、住山の景色がきれいだったから、それでまた力をもらって手を、足を動かす。お陽さまの下、少しずつ進んでいく作業に没頭して、お昼までに終わった時の充実感はなかなかのもの。

"noritama-nouen-no-iriguti" photo by maya
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by ekotoba | 2004-07-25 16:15 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(0)

slow life, hard life.  -1-

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朝6時、皐月にみんなで田植えをした田んぼ。

2日間でひと夏分の汗をかいて、
爽快な疲れといっしょに、篠山の農園から帰ってきました。
(畑の手伝いレポートその1。)

7月20日 晴れ

お昼過ぎ、篠山へ。無人駅の改札を出ると、たまさんが迎えにきてくれていました。正面に停めたバンの後部ドアを開けて、そこに腰掛けていたたまさんは、料理上手で色が白くて背の高い、とても素敵な人。今は家事と子育て、そして畑仕事のかたわら、ネイティヴ・アメリカンの研究(民俗学?)をしに院に通ってるそうです。することは山ほどあって毎日がハードなのにもかかわらず、自分の夢もちゃんと前に進めていく強さをもってるたまさん。農園に到着して、のりさんとノリ・タマ(犬)にあいさつをすると、出荷のお手伝いから始めました。

○ 出荷のお手伝い。

じゃがいも800g→計りで計って、新聞紙で作った袋に入れる。
にんじん 500g→ 〃 そのままダンボールに。
たまねぎ 800g→ 〃      〃
にんにく →畑に置いてあるのを取ってきて、鋏で切りわける。
宅配便の伝票・時間指定のシール→書き・貼り・荷くくり

のりたま農園では、育てた野菜をダンボールに入れて、小包でお客さんの家まで送ります。まさに産地直送。使うのは空いたダンボール、新聞紙1ページを四つに折って作った袋。それから小包には、たまさん直筆の手紙というか、かわらばんみたいなものが一枚入っています。内容は、季節のあいさつ、最近のお天気や畑の様子、今回小包に入っている野菜の料理のワンポイントなどなど。これをもらった人はきっとうれしいと思うし、野菜と一緒に楽しみにしているお客さんもたくさんいるんだと思います。

野菜を送る先の人は、口コミで広まっていった人が多いそうです。最近はお客さんの家計も厳しいため、毎週というお客さんは少なく、月に数回の楽しみとして、のりたま農園の野菜を待ってくれている人が中心とか。。

○ にんじんの水遣り、ビニールハウスの水遣り

夕立が来るのを待っていたのですが、こなかったのでのりさんと如雨露を持って、このあいだ種まきをしたというにんじんの畑に水遣りに行きました。水は、田んぼの側にある水場に如雨露をそっと沈めて汲みます。水場の水は、田植えのときに足を洗った水路から引かれていて、近づくと底にふんわり溜まった泥の中にどじょうが2・3匹潜っていくのが見えました。水遣りは流れ作業。私が水場で如雨露に水を汲んで、畑まで運び、そのあいだにのりさんがもうひとつの如雨露で水を遣ります。

夕方、宅配便のお兄さんがトラックでやってきて、野菜の小包を荷台に積んでいきます。それを見送って今日の仕事はおしまい。

○ ばんごはん。

畑で育ったトマトとキュウリ、薄焼きたまごなどをのせてさっぱり冷麺風そうめんをいただきます。ごはんの後は、お隣の7才の女の子がお誘いにきてくれて、ご近所の玄関先で花火をしました。おばあちゃんがスイカを切ってたくさん出してくれました。(ここまでくると、かんぺきに昔なつかし地元の夏休みの一日の様ですが、私はまだ翌週に社会調査基礎論のテストを残していました。)

10時過ぎ、就寝。
1時過ぎ、外で犬が吠えてて目が覚める。たまさん曰く、「夜に犬が吠えるのは猪か鹿が近くにきてるから」。それで鹿見たさに(猪はこわいから)窓をそっと開けてみたのですが、闇の中にそれらしきものを見つけることが出来ませんでした。

"Asamoya, hatake no asa 6 ji." photo by maya
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by ekotoba | 2004-07-23 16:14 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(3)

総政の人たち。

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総政大合宿に行ってきました。

人と会うということは、大変だったりもするけど、話をしてお互い知り合うことで、生まれる空間が好きだと思う。

もう4回生なのに、これが初めての参加でした。きっかけはモリモトソウさんからのメールと、私の勘違い(スタッフのみなさんに気を遣わせてしまいお恥ずかしい限り)だったのですが、やっぱり行ってよかったなぁと思う1泊2日でした。

壱。みんなの意識が高かった。
2日目に、春学期の振り返りとこれからの自分についてグループで考えたのですが、1回生の春学期からすでに、自分のやりたいことを見つけてて、それに向けて動こうとしてるのに驚かされました。私のところのグループには、3人も環境に関心のある1回生の子がいて、実際に話すまで、その人がどんなことに興味を持ってるかは、ほんとに分からないなぁ、と感心させられました。6月に行った田植えの話をしたら、乗ってくれた子もいてうれしかったです。

弐。一回生はエネルギーいっぱい。
参加者には1回生の子が多かったのですが、合宿中のテンションの高低差に驚かされました。4回生の子とそのことについて話しながら、3才の年の差は大きい、つくづく自分たちは「4回生」になったんだなぁと痛感しました。

合宿中に生まれたサークル?が、日向ぼっこの会。こういうおもしろい動きを、半分ノリで半分本気で作ってしまう人たちが好きです。(さっきメールで企画書が届きました!)

参。横のつながりを作る。
というのが、今回の合宿のコンセプトの一つ?そこで4回生とも話してみました。セミナーハウスの階段に座って、朝の4時まで*

「研究演習の専門性について。」
ゼミ生に統一テーマがない、ゼミに専門性がない、という現状について。総政の学生の多くは、自分の専門性のなさに悩んでいるそうです。中には、社会学や哲学など、「総政」という広い海から一歩陸地に踏み込んでいる人もいるけど、ゼミでそれができる、というところは案外限られています。

そんな話をしながら、それぞれのゼミがどんなことをしているのかについても触れたりして、こうやって他のゼミのことをじっくり知る機会ってなかなかないね、という話にもなったり。

「love[lav]について。」
もうこの辺は終盤だったので、夜更かしの苦手な私はあまり覚えてないんですが(笑)自分のことより、相手のことを先に考えてしまうということについて。相手がうれしいと思うことをしてあげよう、っていうことだけ考えててもだめで、同時に自分がよろこんでるところも相手に見せなきゃいけないんやろうね、という話をしました。

他、大学生活もあと半年、就職について、総政を選んだ経緯、いつから今のテーマに興味を持ったか、などなど。4回生らしく、おちついた語り。

四。greeとblogについて。

総政大合宿に来ていた人の中で、greeをやってる人の割合が高かった。合宿で会う前から、エコトバ経由で名前を知ってくれていた人もいて、望郷に載せてもらってることは有難いなぁと再確認しました。同時に、人に読みつづけられるものを書いていかないとなぁと省みた。ただ私はアナログな人なので、話したことはないけどweb上で知っている、という関係には、ちょっと戸惑いがちです。コメントがあったら潜ってないで、遠慮なく出てきてください。できれば会って話したいです*近くの友人もアナログで、あまりblogの感想を聞く機会はありませんが、時々思いがけない人たちからうれしい言葉をもらいます。ありがとう*

伍。企画の運営について。
この間ampで環境合宿campを企画してみた後だったので、企画の構成の仕方や、スタッフの人の動き方を観るのが勉強になりました。60人規模の参加者で作る合宿の準備と運営は、
campよりずっと大変だったと思います。でも最後に全員で撮った集合写真(早くみたい*)の表情には、ひとりひとりの満足度が表れているんではないでしょうか。

六。合宿後。
総政にはいろんな人がいるな、と今さらながらに改めて思いました。蛸壺を抜け出す、というのはよく使われる表現だけど、自分のフィールドから一歩外に出て人と会って話すのは、何度やってもおもしろい*合宿明けの図書館で、参加者の人たちを見つけて、あいさつをしながら、この間まではこんな人が総政にいることに気付かなかったんだなぁ、とちょっとしたうれしい感慨にふけりました。

さて、SCS総政大合宿のスタッフのみなさん、ありがとうございました。まだ大合宿に行ったことのない1~3回生のみなさん、冬の陣は逃がさないでくださいね*

"tonbo." photo by maya
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by ekotoba | 2004-07-11 14:50 | エコトバ。 | Trackback | Comments(2)

年中行事。

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!!

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旧食の窓から見た竹林。明るくてきれいな緑が見える。今日はいい天気。
お昼には、願いごとを短冊に書きました。 旧食のテーブルの上に置いてあった、短冊入りのコップ。ちゃんと短冊を結ぶ笹の場所の地図も書いてありました。仕掛け人はだれなんでしょう。すごいなぁ。知りたい。一枚頂きました。ありがとう*

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夜は、キャンドルナイト with percussionists。

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夜にくれる空の下、芝生の上で裸足になって、いろんな形、いろんな音のパーカッション。速くなったり、遅くなったり。お互いの音を聞いて、呼吸を合わせて。

しばらく鳴いていたセミもいつしか鳴き止んで、あとには虫の声と、打楽器の音が響いていました。

"2004/07/07 tanagata-candle-night at sanda." photo by maya
Thanks for the all percussionists, midori, kyo-ko, misa, and nino.
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by ekotoba | 2004-07-08 13:09 | こんなこともしてます。 | Trackback | Comments(0)

星祭り。

2004/07/06 vol.11
『星祭り。』
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 文月や 六日も 常の夜には似ず      ―芭蕉

 (秋の気配が感じられて、さすが七月であることだ。
  明日は七夕だと思うと、
  六日の今夜も、いつもとは異なった趣が感じられる。)
 
  
                    
          ☆
                            
                    
          
    願いごとは、何ですか。
    
お久しぶりVol.11のテーマは、「七夕(star festival)」

7月7日は小暑です。太陽黄経105度、つゆ明けが近い「ちょっと暑い」頃。この日は七夕でもあります。もともと七夕は上の句にもあるように、秋のはじめのものでした。私の地元では旧暦に習って、8月に七夕のお祭りをします。小さい頃は、縁側で折り紙を折って天の川を作ったり、ぼんぼりを作ったり。半紙でこよりを作って笹に短冊をつるしたりもしました。
 
 足玉も 手玉も ゆらに 織る服(はた)を
  君が御衣(みけし)に 縫ひもあへむかも    ―万葉

 (足につけた飾玉も、手に巻いた飾りの玉も 
  ゆらゆら音を立てるほどに織る機を、
  七日の夜のあなたの衣に 縫い上げることができるだろうか。)

これは七夕を前に、織姫が彦星の衣を織っている様子を想像した当時の人の歌。飾り玉が音を立てるほど、ということは、七夕の前日ぎりぎりに、織姫はまだ衣が仕上がっていなくて、あせっているんじゃないかと思って、詠んだものなんでしょうか?レポートに追われて、PCの前で必死になっている大学生と重ならない・・・こともない。がんばれ、織姫!そう声を掛けたくなる一首。万葉集には、ぜんぶで132首の七夕を詠んだ歌が載っています。それほど七夕は当時の人から関心を寄せられていたものだといえます。月は少しずつ地球から離れていっている(!)といわれるように、星の位置も万葉の頃と今ではいくらか違っているそうです。今ここで、古の都人が仰ぎ見ていたのとおなじ夜空を見ることはできません。それでものこされた歌を読み解くことで、その景色を見ていた人の素朴で素直な感性に寄り添うことはできるから、万葉集はおもしろい。そして4,536首は到底読み切れる量ではないので、何度ページをめくってもたぶん、あきることがないのです。

冒頭にあげたのは万葉集のものではないのですが、読んで響いた句。芭蕉のように、明日のことを思う姿勢を持ち、七夕の前日であっても季節や趣きを感じる、繊細な日本人でありたいから。

それにしても、一度でいいから、まぎれもなくこれが絶対そうだといえるくらい、確かな「天の川」を見たいと思います。小さい頃に家の裏の境内で見たそれは、これ・・・かな??というくらい、あやふやで、ぼんやりしたものだったから。
 
たなばた[七夕・棚機]

五節句の一つ。天の川に隔てられた彦星と織姫とが七月七日の夜、年に一度だけ会うという伝説にちなむ年中行事。葉竹を立て、裁縫や書道の上達などを祈った祭り。星祭り。棚機はもと、織物を織る機のこと。     出典:岩波国語辞典
 
゜。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜。 ゜。 ゜。 ゜。

エコトバから、エココロを。
Live a life with the sense of wonder.

。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜。 ゜。 ゜。 ゜。 ゜ 
photo: 私が持っている文庫版の万葉集。たまーに読んで遊びます。
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by ekotoba | 2004-07-06 12:07 | エコトバ。 | Trackback | Comments(0)

いのちの長さ。


12年という年月が、長いか短いかわからない。 

犬には犬のいのちの長さがあって、私はもう22年を生きている。生きているから、この体はつづいているし、12年間のうれしさも悲しさも覚えたまま、新しい思いを知っていく。

夕飯の買物からの帰り道、ふと思い出して、そこに手をのばしてみても、もうふれて抱き上げる体はどこにもないのだと気付くことが、いちばん好きな犬が亡くなったということなのかな、と、ぽつんと思いました。

のばした手が空をかく。

そこには悲しいという気持ちはなく、もう涙が出ることはないけれど、それでも時々こういう軽い喪失感みたいなものをくりかえすんだろうな、と思います。
 
 六月(みなづき)の 地(つち)さへ さけて 
 照る日にも 吾が袖 乾めや 君に逢わずして
                     ―万葉―

6月、12年間家にいた犬はなくなりました。そのことを電話で告げられた夜から、私の思考も感情もどこかで麻痺してしまった。それまで、いつか死ぬのだろう、ということを自分に言い聞かせて覚悟しながら、それでも心の片隅では治るかも知れない、また会えるかもしれない、とかすかに期待もしていたのは確か。それでもその死を知ったとき、自分がどうなるのかということは予想できなかった。

バスに乗ってぼんやりしていると、夜になって手の空いた時間ができると、お風呂に入っていると、またなにかを思い出して涙がにじむことがショックだった。うまく笑えない、笑っている自分に傷付く。そんな不安定な自分がいやで、落ち込まないようにしようとしていたとき、友達がいる、それだけで安心できた。こんなことを会う友達みんなに口に出して話していたらその度につらいのでほとんど話さなかったけれど、それでも話を聞いてくれた友達に、深いところにはふれずに、さっぱりした空気でそばにいてくれた友達に、ありがとう。

To: ビビオさん
誕生日おめでとう!!!!!!! 11年前?にりかちゃんと一緒にビーちゃんを拾った日も、20日(日)の父の日でした。というわけで、12年が一回りしたんやろうね。風邪は治りましたか?台風には気をつけてください。こっちは学校が休みになりそうです。ではでは、お元気で。
From: まやこ

拾った日に送ったeカードは、犬が死んでしばらくしてから母の手で開けられました。拾ったときは汚れてぼさぼさだった、野良猫と遊ぶのが好きなふわふわの小さい雑種犬。空を飛ぶ鳥をながめて川で跳ねる魚を見ながら、土手の端まで歩いたとき、夜に電気を消して眠りにつくとき、縁側で本を読むとき、けんかして土手で泣いたとき、部屋中走り回って遊ぶとき、ただいまをいうとき、そこにいてくれてありがとう。胸を張って目をしっかり開けられるのは、もう少し先かもしれないけど、今はようやくちょっとずつ吹っ切れて、ゆるい上り坂を休みながら登っているところで。やっぱり今でもこの子が好きだと思う。家に帰ったら、母が運動不足でふとらないように、二人でいつもの道を散歩しようと思う。
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“dearest vivio, 2003.” Photo by maya
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by ekotoba | 2004-07-02 16:15 | いのちのこと。 | Trackback | Comments(0)
 




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