カテゴリ:畑のこと。( 13 )

ただ、それだけで。

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朝のじゃがいも畑で、テントウムシに会った。
ピントが合った。
ただ、それだけで嬉しい。


"Ladybird, Ladybug." photo by maya in Nagasaki, Japan, Oct 2013.
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by ekotoba | 2013-10-23 13:42 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(0)

炎の力、おどろきのおいしさ。

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霜月の小雪も過ぎた頃、稲刈りに行ってきました。

5人で稲穂の海に分け入り、ざくざく刈る。
今年開拓したての地に実った実を見つめて、稲のがんばりを褒め称え、
お茶碗一杯の米を収穫することの大変さを身をもって知る。
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それから空腹を抱えながら仕度をして、
炭火で炊いた芋煮のおいしかったことと言ったら。
食べた人すべてが、「おどろき」を口にしたことで伝わるでしょうか。

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芋煮~つくし2006ver.~

≪おしながき≫

一の椀 絶品の芋煮
二の椀 芋煮~小松菜入り
三の椀 芋煮~ほうとう入り
蒸し焼き じゃがいも
蒸し焼き さつまいも(黄金色、紫色)
蒸し焼き かぼちゃ
焼き物 荒技ウィンナー直火焼き
焼き物 ナスとさやいんげん炒め
焼き物 絶品餃子鉄板焼き
ご飯   赤米(古代米)たっぷり
ご飯   ケツパット(マレーシアのお米)
デザート 白玉粉とさつまいものきな粉団子 

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≪芋煮の作り方≫
①炭火を熾(おこ)す。火力を強めるのはアラジンのランプの精(の様にたくましい先輩)の「ふぅ~~」という力強いひと吹き。
②鍋に水を張って、根菜から火を通し旨味を出す。つまり、芋(里芋、じゃがいも、かぼちゃ)、ごぼう、だいこん、にんじん、たまねぎ。
③それから、ねぎ、鶏肉、油揚げ、こんにゃく。ぐつぐつ、野菜から出てきただしで、おいしい匂いがしてくる。
④火が通ってきたら、みそ(2種類)、だしの素で味を加える。
⑤ぐつぐつぐつぐつ・・完成!!

去年の稲刈の様子です。

"Daichi no megimi," "Ine no taba," "Need the Fire." photo by maya in Tsukuba Tsukushi-noen 2006.
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by ekotoba | 2006-11-26 23:52 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(4)

開拓の民。

c0006904_23334129.jpg最後のひとすくいを持ち上げた、その時
水が、流れた

「やった、開通だ」
皆、手をたたいて歓んだ

乾いた泥の軍手から、
土ぼこりが、舞った

水はとどまることなく、続いた

水路の、誕生だった

"Kaitaku farmers." photo by maya, at Tsukuba, May 2006.
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by ekotoba | 2006-05-21 23:34 | 畑のこと。 | Trackback(1) | Comments(2)

神隠し。

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「いやいや、まさか」
「これが?」
「田んぼです。」
『ええーっ』

田植え前の田んぼ。


後日談。この日はちょっとした事件がありました。

"Wild rice field." photo by maya at Tsukuba May 2006.

里山の真ん中で先輩夫婦が、神隠しに遭ってしまったのです。

かわいい畑にいろんな苗や種を無秩序のように大胆に植えていくことが楽しくて、夢中で畑仕事にいそしんだので、すっかりお昼の時間を過ぎてしまい、私たちのお腹はぺこぺこでした。そこでくつを履き替えにセンセイの新居(元・別荘)に向かいました。その道すがら、先輩夫婦は、畑に忘れ物をした、と言って、引き返しました。私たちはすぐに追い付くだろう、と何を食べに行くかを話しながら、家の前で二人を待つことにしました。

ところが。話に夢中になっていてふと気付くと、ずいぶん時間が経ったのに、まだ二人は追い付いていませんでした。はじめは新婚さんやから二人っきりでらぶらぶしてるんやないのーと冗談を言っていましたが、空腹が堪えられない私たちは、さすがに遅いと、みんなで畑へと迎えに行くことにしました。しかし畑に戻ってみても、人影はなく、呼び掛けても返事はありません。いくら呼び出しても返答のなかった携帯は、畑の脇のかばんの中に置かれたままになっていました。
隣のキャンプ場にいた家族に尋ねても、沼の方まで下りて探しても形跡はありませんでした。

私たちは二人の無事を祈りながら、ひとまず車に乗って2時に閉まってしまうというおいしいパン屋さんに行き、そこで素敵なパンをどっさり買って帰りました。とにかく信じて待とう、と畑の側の木陰にレジャーシートを広げ、どきどきしてパンを食べながら、道に迷った、夫婦喧嘩をした、どちらかが怪我や急病で倒れた、動物に襲われた、などなど。果てには、カラスの仕業であろう、道に点々と落ちたお菓子までたどりながら、これが何かのメッセージなのか!?と思案しながら私たちはありとあらゆる状況を考えました。どれがいちばん起こり得るか、という検証まで加えながら、それでもおなかが満たされると不安も和らぐのが不思議でした。

いよいよパンも終盤を迎えたころ、「あ」という声がして振り返ると、道の先に元気なたくましい先輩の姿が見え始めました。その後ろから奥さんも。よかった、いやよかった、とみんなで再会を喜びながら、その先輩が持参してくれた手作りビールで乾杯しました。そのビールのおいしかったこと!小さなコップ一杯でしたが、私にはめずらしくすっきりと飲み干してしましました。

神隠しの顛末は、私たちの姿を見失った先輩夫婦が、ラーメン屋さんへ行ったのでは、と勘違いして家とは逆方向へ行ってしまった、とのこと。でも、「一回家の前まで行って、みんなの名前呼んだよ」(なんにも聞こえなかった!)、「姿も見えなかったし」(みんなで家の前で待ってたのに?!)という不思議なことばかり。やっぱり神隠しか・・・と家の隣の畑にずっといたあやしいおばあちゃんを疑ってみたりしたのでした。

何にせよ、見つかってよかった、とおいしいビールとおつまみですっかり上機嫌、足元ふらふらになった先輩たちと、田んぼの水路づくりをしながら日が暮れたのでした。
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by ekotoba | 2006-05-20 16:26 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(0)

野菜王国。

c0006904_1140285.jpg五月。のりたま農園を1年以上振りに再訪。
スバラシイ作品と音楽を届けてくれた、友人・かっつんに捧ぐ。

Osusume Ohiru-gohan: のりたま春のレッドカレー: オクラ、たけのこ、新じゃが。パクチーの香りがこの上なく幸せ。ねぎぼうずのツナ和え: ねぎぼうずをばらばらにすると小さなつぼみが。よくかめばぴりっとネギの辛味。生のままでほんまおいしい。お酒のお供に良さそうーーー。間引きしたかぶの菜っ葉のおひたし: おしょうゆであっさり。かむかむかむ。よく噛んで甘さを味わう。たけのこのおさしみ: そこら辺で採ってきた木の芽添え。そして厚揚げとにんじんとこんにゃくの煮物、豆の煮物・・・御馳走は続く。

○野菜王国

休日の新居に集ったのりさんの恩師・友人・知人・後輩は総勢8名。みんなで見たのが、「Vegetable Kingdom」というタイトルの映像作品。作成は大学4年の春に一緒に田植えをしたかっつん!!(きよこさんの息子さんです。)素敵。ほんまよかったーー。この音楽がまたのりたまの空気にうまい具合に溶け込んで。のりさんの関西弁&不思議な篠山弁がおもしろく、
聞き手のかっつんがいい声しとるなぁって思った。やさしい穏やかな声。前半は農セッション(笑)。

○にんじんの世界。

今回のお手伝いは赤ちゃんにんじんの間引き。メンバーは、おなじみ畑友達のおむちゃん、大学4回生の女の子、ザ・シェフ先生。軽トラの荷台に乗って、風を浴びつつ畑に向かう。3cmほどのにんじんの葉っぱは緑の雑草に埋もれているので、まずそれを助けだし、かつ3~4cmの間隔に間引いていく。これが小さい手を持ってしてでも日進月歩の細か~い作業。よく成長しているにんじんを選んで、なるべく等間隔にしていくにも、この子が健康そうだ、という判断と、他をえいやっと引っこ抜く決断がいる。あと忍耐(笑)。畑に座っていると自然な自分に戻れたなぁと思って、落ち着いた。振り替えると、土のうえで生きていく小さなにんじん達が並んで風に揺れてた。

○お茶の時間。

夕方、お茶とおやつを囲んでいると、遠くからおとうふ屋さんの、ぱー、ぷー、という音が聞こえてくる。そこから始まるお話。遺伝子組換の野菜と専用の除草剤が世界に広まる。そこにヒトの意志がなくても、植物は畑を越え、村を、国を越えてその種を運ぶ。バイオディーゼルで車を走らせる菜の花プロジェクト。全国の休耕田を利用すれば、20%の燃料が賄える試算。排気ガスには、植物が吸収した分のCO2が含まれる。お手軽スモークチキン&マグロ。中華鍋とチップを使って10分で出来上がり!手作りマンゴー+ブンタンのパウンドケーキ。みんなの食を楽しむ知恵と工夫。どれもおいしかった(笑)。

定住する暮らし。人と、土地と、自然とつながって、苦労とよろこびとを包んで生きていく暮らし。ここが野菜王国。

"Gochisou." May 2006.
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by ekotoba | 2006-05-06 11:24 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(2)

実り、収穫。

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10月。

うれしい秋の便りが届く。

実り、収穫。田んぼの真ん中。焚き火でごはん!!

c0006904_19374073.jpg今年、センセイの田んぼでした自然農の田植え。それから夏の盛りに草抜きに行って、その後も師匠のblogで遠くから成長を見守りつつ、心待ちにしていた稲刈り。バス停からの道で若干迷いつつも、たどり着いた田んぼには、立派に育った稲がわんさか立っていた。やったーーと思って近づくと、稲穂がびっくりするような色に!センセイに訊くと、それは緑米の稲。ひとつぶ頂いて濃い紫色の殻を取ってみると、中はほんのり緑色のお米だった。(写真の左側が緑米です。)

c0006904_19401155.jpg本日集まったのはセンセイと、先輩夫婦、えつお、私の5人。 まずは刈り取った稲をかけて干すための稲木を作る。松の枝を組み合わせて稲縄でしっかり縛り、その上に運んできた長ーい竹を渡す。竹にぶらさがってみて、倒れなければ完成。そして、いよいよ稲刈り。


c0006904_19435977.jpgセンセイから刈り方のお手本を見せてもらってから、それぞれ配置について稲刈りスタート。一本の苗から立派な束になるまで育ったことの成長に驚き歓びつつ、みんなでざくざく刈る。刈った跡の根元にはちいさな虫がたくさん!束ねた稲を稲木にかけていく。えいやーと稲を持ち上げるえつおと、それを手際良く並べていくセンセイ。

c0006904_1941814.jpg収穫夫婦。結婚式の花束みたいな実りを前にして、新婚さんは幸せそう。見ているこっちまで幸せになる。
刈り取って束ねた稲を稲木のところまで運ぶ時に、私は稲の束を抱きしめてみた。そしたらすごく落ち着いた。うれしくて、ほっとした。そのうれしい実りの重さも、やや渇いた草の感触も。

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収穫の跡は、田んぼの横に草を刈って作った空き地でわくわくごはん作り。かまどを作って、焚き火。センセイが赤米を入れて土鍋で炊いてくれたほかほかごはんに、稲刈りの後の定番という芋煮。ついでにバーベキューと焼きいも。炭火を起こして七輪で秋刀魚を焼けば、きれいな焦げ目に歓声をあげる。炭からもくもく煙が出てた時には、ほんとにこんなにたくさんできるんかなって不安にもなったけど、出来上がってみれば、その

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おいしさに歓びの声が絶えませんでした。不思議やね~(笑)いや~、なんとかできちゃうもんなんやね~*としみじみ。たっぷり稲刈りをした後に、秋の草の上で豪快に作ってのびのび食べるごはん。おかわりのおかわりのおかわりで、すっかりおなかもいっぱいになりました。先輩と奥さん、えつお、そしてセンセイ、素敵な休日をほんとにありがとうございました。この恩返しはまた必ずや。

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稲。おいしいおいしいごはんになってね。そして、また来年会いましょう。

"Thanks Giving Day." photo by maya in Saitama, the end of October 2005.
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by ekotoba | 2005-11-03 19:32 | 畑のこと。 | Trackback(1) | Comments(3)

休日、埼玉、自然農(つづき)。

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ことこと、階段。

石と、木と、土と草。農家に行って感動するのは、こういう人の手で工夫して作ったものが見られること。風景にぐんと溶け込んでていいなぁと思う。 (田植えの本文、書きました)

篠山で知りたる農の味を、東の地でも探さんとて訪なう。

かねてから会社の先輩に紹介してくださいくださいと頼んでおいた、自然農の畑とその主(ぬし)、若きセンセイ。 そのセンセイと、さらに若い見習いによる、小さな苗たちを田に植えてやるまでのお話。

気温は低め、風は少しで、田植え日和。都会の生活に倦んだ見習い達は、久々にさわる土に、草の匂いに一喜一感。草に触れては、持て余していた力を絞っては、名も知らぬ虫に出会っては愉しからずや。

「なんか草のいい匂いがする。」 (田んぼの草を刈りながら)「ほんまー。草の匂いやな。干草みたい。」 (同じく隣で草を刈りながら)「うん。いいなあー(感動)。うわ、草の中ってよく見たら、いろんな虫がおるよ。虫のマンションみたい!」「何の虫?」「名前はわからんけど、小さいのがいっぱい。あ、小っちゃいクモおった。」「(笑)。家、ひっくり返してごめん、って感じ?」
「うん、ほんまごめん。今、みんな大混乱しとるわー。(土を戻して)でもこれでそのうち落ち着くと思う。」「それが自然ってもんなんかなー。」

はたして「自然農(natural farming)」とは。

一、土を耕さない。 

私がこれまで入ったことのある田んぼ=丁寧に土を耕して水を張ってある。土は泥状になっていて、ひざ下くらいまで泥に浸かって、そこへ稲を植えていく、というものでした。今回もそんな田んぼに入る・・・はずでした。ところがどっこい、この日訪れた田んぼでは、土は土のまま、雑草もぼうぼうに生えていました。それは、耕さない、水を張らない田植え。

一、虫や雑草を敵と見なさない。

雑草は敵じゃない、とセンセイは言いました。ただ、まだ幼い苗が育ちやすいように、ちょっとだけその手伝いをする。苗が育つ場所にある雑草を刈ってやる。それから、今ちょうどよくバランスがとれている土の状態を変えないように、そこに居る虫を驚かさないように、なるべく土に与えるダメージを控えめに、ということを心がけて雑草を刈る。大きな雑草をひっこぬいて、掘り起こしてしまった土は、またもとの場所に還す。

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草の布団。畑仕事の休憩タイム、ごく自然に畦道に大の字に寝転がって、センセイを驚かさせた見習い二人(私と私の同期)。私は寝転がったまま草や花、逆さに見える山の写真を撮っていて、もう一人は完璧に眠り込んでた。「草枕」とは、旅の枕詞(まくらことば)だったか。この日、空はくもり空。空気は涼しくて、長袖一枚でいい加減。

一、刈った雑草は、それがもと居た場所に横たえる
土と同じように、刈った雑草もそれが生きていた場所に還してやる。そうして土の上に還った草はその場で虫たちのえさになって、いい土になるための肥やしになる。

一、農薬、肥料、機械を使わない。土と、人と、作物自身の力で育てる。

農薬、肥料、機械を使って、狭いスペースでたくさんの収穫量を得ようとする従来の米作りに対し、自然農ではたとえ面積辺りの収穫量は少なくなっても、苗を広いスペースで、苗自身の力を引き出して育てようとする。センセイの田んぼでは、横20×縦40の間隔で、一本植えをしていく。有機農でも2~3本植えだったけれど、ここでは一本の苗が完全に自立しているというか、ひとり暮らしをしているような状態(3人部屋とかじゃなくて)。広い場所でのびのびと、土にしっかりと根を張って、水や栄養に貪欲に生きていく。

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田植え後の畑の様子。土の上に倒してある雑草を前後にかきわけて、最小限に掘ったところに苗を入れ、土できゅっと固めて立てる。植林みたい。センセイによると、この苗たちは思春期の頃にあるらしい。そしてセンセイは苗床から巣立つ子を見守る親。こんな大事な時期に世話をするのが私たちみたいな見習いでいいんかな、と気にかけつつ。心を込めて植え、その苗の持つ力を信じる。

一、「こうしないといけない」と言う厳密な決まりでしばらない。 

これでいいのかな、こうしても大丈夫なのかな。初めてのことにとまどう見習いのつぶやきを聞いて、センセイが教えてくれたこと。

。  ゜  ○  。  ゜    ○。  ゜  ○

「大きく育たれよー。」とひとつひとつ苗を植えて、自分たちの成長を思った。
私は、私たちは、これからどんな場所で、どう成長するんだろう。

どこに居ても、故里から離れても、ひとつづきの地に付けた足から
水を、栄養を、いっぱい吸収できる根っこを持とう。

そして、この身で育んだ実をこの地に。

"Kotokoto-kaidan" etc photos by maya, Saitama 03 July 2005.
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by ekotoba | 2005-07-16 21:58 | 畑のこと。 | Trackback(1) | Comments(2)

休日、埼玉、自然農。

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7月入って休日、畑に行ってきました。

そこで待ってたのは、はじめての自然農。

"Harujion" photo by maya, Saitama 03 July 2005.
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by ekotoba | 2005-07-03 22:21 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(4)

ここで、生きていく。

2004/10/26 vol.12
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見つめる先に、見えるもの。

日曜、電車に乗って畑のお手伝いに行ってきました。
会うのは8ヵ月ぶり、これで3回目、
そんな友達と一緒に、農家のお家に一泊二日のお泊り。

山に囲まれた畑、たくさんの緑と虫と生き物、流れる水に、いつもよくしてくれるやさしいご夫婦、3才のちいさな女の子、2匹の犬に包まれて。パソコンで痛んだ目と、苦しかった心はそこで、ひそやかに治してもらった。

 。  ゜  ○  。  ゜    ○
今回のお手伝いは、にんじんの間引き。二人で畑にびっしり生えたにんじんの中からよく育ちそうなものを選んで、8cmくらいの間隔に残していきます。

あ、にんじんの匂いがする。

そうつぶやく友達に、笑ってあいづちを打ちながら、いろんな話をしました。ひたすらにんじんを抜いて、虫を見つけてはお互いに報告しました。
みみず。くも。こおろぎ。ちいさな幼虫。かえる。
土の上を、中を、いろんな生き物が通りすぎていく。
うまくできてますか?ついでに周りの雑草も取っていきます。

採れたにんじんの赤ちゃんはまだまだ小さくて、主に葉っぱの部分を調理して食べます。いわゆるにんじん葉* 畑を歩いてやってきたたまさん(奥さん)が、「晩ごはんに使うから、ちょっとちょうだい~」といって、かごにどっさり採れた中からふたつかみ、これくらいかな、と持っていきました。うちのおばあちゃんは小さく刻んでしょうゆで炒めて、ごはんのお供にするけど、今回のは畑から取りたて、葉も柔らかいので、おいしい胡麻和えになりました。

にんじん葉の胡麻和えの作り方。
1. にんじん葉と油揚げを1cmくらいに細かく刻んで、いっしょにお湯で茹でる。
2. お湯から上げて、おひたしの要領で水気をしぼる。
3. しょうゆ、みりん、すり胡麻、練り胡麻で和えるだけ!おいしい。

夕方になると涼しい風が吹いて、今年3才になった女の子が畑の畦道の中をぽてぽて歩いてきて、「あのね、」と小さな声で言いました。こっそり笑ってはにかみながら、「あのね、ごはん、できたよ、」とやっと聞こえるくらいのささやき声で教えてくれて、その日の作業はおしまい。どっさり採れたにんじん葉を、かごいっぱいに詰め込んで、私と友達は、のりさんとたまさん、たまさんのお母さんが夕餉の仕度をする家へと帰っていきました。

今回のおみやげは、リンカラン。ずっと前の写真に写ってた、あの雑誌です。有機農、助産師、和の手作り入浴剤、民族楽器、ちょっとエコニュース、リラクゼーション・・・そんな話題が豊富な、ほっとできる内容。お二人はこの雑誌のことを知らなかったそうで、おもしろいね、って感心しながら夢中で呼んでくれました。

夜寝る前に、友達と少し本の話をしました。住山の夜は早い。疲れた体を休めるため、朝(あした)に備えて10時すぎに消灯。眠いことは眠いけれど、目をつむってもすぐに眠れそうにはありませんでした。この畑に来る少し前におむちゃんがメーリングリスト*で紹介していた本を、私はちょうどそのとき、本棚から出してきて読み返していたところでした。そんな偶然の話をして、おもしろいね、としみじみ話しました。 
*「にょきにょき関西」のメーリングリスト。食と農に関心のある学生が参加して、知り合いの人がやっている有機農のイベントや本の紹介などをしています。

その本「王国 その2」に、印象的なことが書かれています。
“ものを雑に扱った記憶”について。
届いた手紙、頂きものの包み、新しいテレビのダンボール、収穫した薬草。それらを開けるとき、取り込むときに、丁寧に扱うことが大切だということ。ものとの間に、はじめに「雑な関係」をつくってしまうと、その雑な感じがずっと続いて、自分にもよくない影響が及んでくる。逆にいうと、大切な出会い方をしたものとは、ずっといい関係が続く。そんな意味の話・・・だったと思います。

それからふたりで部屋にあった「1万年の旅路」という本を開きました。7月に来た時に、たまさんが教えてくれたこの本は、とても分厚くて、途方もない記憶の話。不思議な、気持ちになりながら、おやすみなさいをした。
 。  ゜  ○  。  ゜    ○
vol.12のテーマは『有機農(organic farming)』です。

有機農は、農薬や化学肥料を基本的に使わない、家畜のふんや野菜くず、雑草から作った肥料で土づくりをする。手作業や天敵の利用、除草で病害虫を防ぐ・・・など、自然や土の力を活かす農本来の姿に回帰しようとして生まれたもの。

また「自然農(natural farming)」は、農薬や肥料を使用しないだけでなく、土を耕さない、雑草をとらない、機械もほとんど使わないことなどが特徴。農や自然への対し方、生き方の哲学を強調するニュアンスもあるそうです。

今日では高齢化や、後継者問題をかかえる農家が増える一方、祖父母や親が農業をしていない環境に育っていても生き方のひとつとしての就農をめざして、多くの若者が、各地の有機農家や農塾で学んでいます。
 。  ゜  ○  。  ゜    ○
思ったこと、あったこと全部を言葉に出したわけじゃないけど、町から離れた、雨や虫や自然の音がたくさん聞こえてくる場所、明るい朝、真っ暗な夜、おいしいごはん、おいしいお茶、畑の中で動かした体、親しい人からもらう笑顔、決して強くはない、まるい、でもしっかりしたものに支えられた気持ち。

そういうひとつひとつが、必要だった。

゜。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜。 ゜。 ゜。 ゜。
エコトバから、エココロを。
Live a life with the sense of wonder!
。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜ 。゜。 ゜。 ゜。 ゜。

all photos by maya at Noritama noen, Sasayama 10-11 Oct. 2004.
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by ekotoba | 2004-10-26 16:22 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(0)

slow life, hard life.  -3-

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畑中を駆け回ってのりたま農園を見守ってくれてる、のりさんの愛犬・ノリ。
(畑の手伝いレポート・その3。)

2日目の午後。もうひとりの子が、手伝いにやってくる。たまさんも用事で町に出かけていて、のりさんがその子を迎えに行っている間、私は台所で、玄米ごはんを炊いている圧力鍋の笛が鳴るのを待っていた。(笛が鳴ったら、火を弱火にするから。)木の小さな丸い椅子に腰掛けて、たまさんが昨夜読んでいた、広辞苑よりもずっと分厚いどっしりとした本の最初のページをめくって読んでみた。

ネイティブ・アメリカンが、はるか昔にそれまで住み慣れていたアフリカ大陸から、別の地に移り住むことを決めて、移動を始めた、その長い長い旅の記憶が書かれている。文字を持たないN.A.は、それらのできごとを、教えを、口から口へと言葉と声で伝えてきた。書き留められたすべては、人から人へと語りかけられてきたこと。

コマがぴーっという控えめな音をたてた頃に、のりさんがみねちゃんを連れて帰ってきた。私もその日初めて会ったみねちゃんは、ampの広報を見て私に連絡をくれた2回生の女の子で、ちょうど私がのりさんと次に手伝いに行く話をしていたときに、のりたま農園について質問のメールをくれたので、今回の手伝いにお誘いしました。

初めまして*とあいさつをして、住んでいることろの話や、知り合ったいきさつなどを話しながら、昼ごはんのしたく。今日は、ひきわりモロヘイヤ玄米ごはん、きゅうりのぬかづけ、お茶 を外のベンチで食べる。お昼になると家の裏山が影をつくってくれて笹林から風が吹くので、涼しくて気持ちよかった。ヒグラシも鳴きます。じつは納豆を食べたのはこれが生まれて初めて。

日差しが弱くなり始める3時までは、ひとまず休憩して、体力を温存する。とはいえ、みねちゃんは来たばかりでせっかくの時間なので、たまさんに畑を案内してもらった。家の前の畑だけで、実にいろんな種類の野菜が作られていて、びっくりした。中でもズッキーニは、お化けみたいに大きかった。

それでは、と満を持して、二人で里いもの畑の土寄せ・10畝を開始。畝の右手と左手に分かれて、両側から鍬?を振るい、下の土をかき上げ、苗の根元にしっかり掛けてあげる。断面から見ると、四角になってる畝を三角に整えるようなイメージです。それをまたひたすら続ける、暑さはすごかった。軍手をはめてるのに、柄を握る手のひらに力が入らなくなってきて、何度も手を止めて、握りなおした。振り下ろした鍬が土にささっても、それを持ち上げる力がだんだん弱くなってくる。

一度家に帰って休憩して、お茶を飲んで、それでも、みねちゃんと私は笑っていたと思う。もうちょっと、あとちょっと、この時間でここまできたから、頑張ろう*と。夕方には日差しが少し和らいで、時折り山の方からすずしい風も吹いた。そんなときは、首に巻いたタオルをはずして、体に風を送った。一定のペースで進む、を目標に体を動かして、空が薄やみに変わる頃には、全部の土寄せを終えることができた。

おつかれさまのシャワヮー。そして、晩ごはん。今日はビール&畑で取れた野菜のてんぷら豪華盛り。のりさんと、みねちゃんと私で、いんげんのてんぷらを食べた瞬間、思わずやばい!って叫ぶほどおいしかった。

ごはんの後、たまさんとみねちゃんと3人でいろんな話をしてる間、のりさんはこっそりお隣の家にサッカー(日韓戦)を観に行ってて、あとでたまさんに怒られてました。私は風葉(のりさんとたまさんの娘・3才)に折り紙を渡されて、「ね、つる、折ってー」って頼まれたので、思い出しながら、「こうやったっけ?次は?」って風葉にひとつひとつ確認しながら、折っていきました。最後にくちばしのところを折って、はいできた*って渡すときに、ちょっと飛んでるみたいにふわふわさせたら、風葉がよろこぶから、もっとつるをふわふわ動かせて、いっしょに遊んだ。

10時半 真っ暗な道をみんなでバンに乗って駅へ向かう。おつかれさま、ありがとう、また来てね、と野菜をおみやげにもらって、のりさん、たまさん、風葉に見送られて、すこし切ないさよなら。

人をまばらに乗せた夜の電車の中で、みねちゃんと並んで、あんなに汗をかいたことはなかったね、でもこの疲れがなんだかすかっとしてて気持ちいいね、と笑いながら帰ってきた。

"Nori -her beautiful face." photo by maya
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by ekotoba | 2004-07-26 16:16 | 畑のこと。 | Trackback | Comments(0)
 




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