休日、埼玉、自然農(つづき)。

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ことこと、階段。

石と、木と、土と草。農家に行って感動するのは、こういう人の手で工夫して作ったものが見られること。風景にぐんと溶け込んでていいなぁと思う。 (田植えの本文、書きました)

篠山で知りたる農の味を、東の地でも探さんとて訪なう。

かねてから会社の先輩に紹介してくださいくださいと頼んでおいた、自然農の畑とその主(ぬし)、若きセンセイ。 そのセンセイと、さらに若い見習いによる、小さな苗たちを田に植えてやるまでのお話。

気温は低め、風は少しで、田植え日和。都会の生活に倦んだ見習い達は、久々にさわる土に、草の匂いに一喜一感。草に触れては、持て余していた力を絞っては、名も知らぬ虫に出会っては愉しからずや。

「なんか草のいい匂いがする。」 (田んぼの草を刈りながら)「ほんまー。草の匂いやな。干草みたい。」 (同じく隣で草を刈りながら)「うん。いいなあー(感動)。うわ、草の中ってよく見たら、いろんな虫がおるよ。虫のマンションみたい!」「何の虫?」「名前はわからんけど、小さいのがいっぱい。あ、小っちゃいクモおった。」「(笑)。家、ひっくり返してごめん、って感じ?」
「うん、ほんまごめん。今、みんな大混乱しとるわー。(土を戻して)でもこれでそのうち落ち着くと思う。」「それが自然ってもんなんかなー。」

はたして「自然農(natural farming)」とは。

一、土を耕さない。 

私がこれまで入ったことのある田んぼ=丁寧に土を耕して水を張ってある。土は泥状になっていて、ひざ下くらいまで泥に浸かって、そこへ稲を植えていく、というものでした。今回もそんな田んぼに入る・・・はずでした。ところがどっこい、この日訪れた田んぼでは、土は土のまま、雑草もぼうぼうに生えていました。それは、耕さない、水を張らない田植え。

一、虫や雑草を敵と見なさない。

雑草は敵じゃない、とセンセイは言いました。ただ、まだ幼い苗が育ちやすいように、ちょっとだけその手伝いをする。苗が育つ場所にある雑草を刈ってやる。それから、今ちょうどよくバランスがとれている土の状態を変えないように、そこに居る虫を驚かさないように、なるべく土に与えるダメージを控えめに、ということを心がけて雑草を刈る。大きな雑草をひっこぬいて、掘り起こしてしまった土は、またもとの場所に還す。

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草の布団。畑仕事の休憩タイム、ごく自然に畦道に大の字に寝転がって、センセイを驚かさせた見習い二人(私と私の同期)。私は寝転がったまま草や花、逆さに見える山の写真を撮っていて、もう一人は完璧に眠り込んでた。「草枕」とは、旅の枕詞(まくらことば)だったか。この日、空はくもり空。空気は涼しくて、長袖一枚でいい加減。

一、刈った雑草は、それがもと居た場所に横たえる
土と同じように、刈った雑草もそれが生きていた場所に還してやる。そうして土の上に還った草はその場で虫たちのえさになって、いい土になるための肥やしになる。

一、農薬、肥料、機械を使わない。土と、人と、作物自身の力で育てる。

農薬、肥料、機械を使って、狭いスペースでたくさんの収穫量を得ようとする従来の米作りに対し、自然農ではたとえ面積辺りの収穫量は少なくなっても、苗を広いスペースで、苗自身の力を引き出して育てようとする。センセイの田んぼでは、横20×縦40の間隔で、一本植えをしていく。有機農でも2~3本植えだったけれど、ここでは一本の苗が完全に自立しているというか、ひとり暮らしをしているような状態(3人部屋とかじゃなくて)。広い場所でのびのびと、土にしっかりと根を張って、水や栄養に貪欲に生きていく。

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田植え後の畑の様子。土の上に倒してある雑草を前後にかきわけて、最小限に掘ったところに苗を入れ、土できゅっと固めて立てる。植林みたい。センセイによると、この苗たちは思春期の頃にあるらしい。そしてセンセイは苗床から巣立つ子を見守る親。こんな大事な時期に世話をするのが私たちみたいな見習いでいいんかな、と気にかけつつ。心を込めて植え、その苗の持つ力を信じる。

一、「こうしないといけない」と言う厳密な決まりでしばらない。 

これでいいのかな、こうしても大丈夫なのかな。初めてのことにとまどう見習いのつぶやきを聞いて、センセイが教えてくれたこと。

。  ゜  ○  。  ゜    ○。  ゜  ○

「大きく育たれよー。」とひとつひとつ苗を植えて、自分たちの成長を思った。
私は、私たちは、これからどんな場所で、どう成長するんだろう。

どこに居ても、故里から離れても、ひとつづきの地に付けた足から
水を、栄養を、いっぱい吸収できる根っこを持とう。

そして、この身で育んだ実をこの地に。

"Kotokoto-kaidan" etc photos by maya, Saitama 03 July 2005.
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by ekotoba | 2005-07-16 21:58 | 畑のこと。 | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from - 毎日が「自然農」- .. at 2005-07-22 21:21
タイトル : 有機反応
水無月十五日 晴れ  拙い取り組みが友人というフィルターを通すと、自分でも思ってもみないような化学反応(というより「有機反応」と言おうか)を起こすことがある。先日手伝いに来てくれた自称見習い君がまとめたBlogを見せてもらって、ひとしきり関心してしまった。自..... more
Commented by 偽センセイ at 2005-07-22 21:23 x
来訪遅くなりました~。いい記事書きまんなあ。
続きが楽しみ♪ また来ておくんなまし。
Commented by ekotoba at 2005-07-31 00:24
いらっしゃいませ。コメント&TBありがとうございます。有機反応、いい言葉ですね^^おいでと言われたので、また行ってしまいました。単純ですみません。だけど、稲の成長が見てとれてうれしかったです。これからもよろしくお願いします!
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